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ゲオルギューの「蝶々夫人」Masterpiece of Madama Butterfly(3)


・プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』全曲
 蝶々さん:アンジェラ・ゲオルギュー
 ピンカートン:ヨナス・カウフマン
 スズキ:エンケレイダ・シコーサ
 シャープレス:ファビオ・カピタヌッチ
 ゴロー:グレゴリー・ボンファッティ
 ボンゾ:ライモンド・アチェート
 ケイト:クリスティナ・レアル、他
 サンタ・チェチーリア国立音楽院管弦楽団&合唱団
 アントニオ・パッパーノ(指揮)
 録音:2008年7月7-19日、ローマ(デジタル)

 このブログで蝶々さんのことを書いているのを知って友人が貸してくれました。最新の録音なので期待していましたが、全体としては今ひとつですね。ゲオルギューの蝶々さんはやはり声質が合ってないと思います。プッチーニはもっと豊かで伸びやかなリリコ・スピントらしい声を要求していると思います。ゲオルギューはいわゆる枯れた声でヴィブラートも強過ぎて、15歳の蝶々さんの透明感が伝わってきません。有名な「ある晴れた日に」もオーケストラに押されているようではいけませんね。何よりも彼女の場合は呼吸法に問題があると思います。オペラ・ハウスだけではなく、このようなスタジオ録音でも吸気音が聞こえるのは耳障りです。ヨナス・カウフマンも声が重すぎてピンカートンらしくないですね。聞き所の第一幕終盤の二重唱も映えないものになってしまいました。スズキやシャープレスも今ひとつです。反面、パッパーノ大将の音楽作りはちょっと早めのテンポできびきびとして好感が持てましたが、オーケストラがいけません。弦楽器がそろっていずいかにも荒っぽいような感じを受けました。ロイヤルオペラのオーケストラならこんな演奏はしないのに・・・。全体としてプロデューサーの見識が問われるようなCDです。音質が良いだけにもったいないですね。ビジュアル系なので映像ならもう少しましかもしれません。もちろん友人の評価も×です。では次回からは映像編です。
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オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃん「蝶々夫人」をキャンセル


 ウィーン国立歌劇場のHPを見るとオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんは病気のため「蝶々夫人」の初日をキャンセルしたようです。ファンとしてはウィーンのデビューだっただけに特に残念です。一番がっくりしているのは何よりも本人とオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんを目当てで入場券を買った聴衆の皆さんでしょう。あと2回ありますが大丈夫でしょうか。早く良くなってその美しい歌声を聞かせて欲しいものです。私はウルウル涙です(←アホ)。

マリア・カラスの「蝶々夫人」Masterpiece of Madama Butterfly(2)


・プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』全曲
 マリア・カラス(蝶々夫人)
 ニコライ・ゲッダ(ピンカートン)
 マリオ・ボリエルロ(シャープレス)
 ルチア・ダニエリ(スズキ)
 レナート・エルコラーニ(ゴロー)
 ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音:1955年(モノラル)

 有名な録音でテバルディの蝶々さんと双璧です。特にマリア・カラスの表現の濃さは他を圧倒しています。が私としてはやはりもう少しリリコ・スピントらしい豊かなそして美しい声が好きですね。表現もプッチーニらしい素直な歌いぶりの方が蝶々さんらしい感じがしました。ピンカートンのニコライ・ゲッダも甘い声で素晴らしいですね。ただ、シャープレスとスズキはテバルディ盤の方が上手かったと思います。壮年期のカラヤンの指揮はこの曲のダイナミックさと叙情性を引きだそうと奮闘していますが、やはり歌手の個性が前に出て、カラヤンらしい曲作りが出来ていないように思います。アンサンブルも微妙にずれたところもあるので、カラヤンには耐えられなかったかもしれません。もちろん新盤ではその点は克服されています。一番の問題はどうしようもないぐらい録音が悪いことです。やはりオペラのようなレンジが広く、音の強弱が激しい曲は録音が悪ければ耐えられません。このCDの最大の欠点はそこにあるのではないでしょうか。

テバルディの「蝶々夫人」Masterpiece of Madama Butterfly(1)


・プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』
 レナータ・テバルディ(蝶々夫人)
 カルロ・ベルゴンツィ(ピンカートン)
 アンジェロ・メルクリアーリ(ゴロー)
 フィオレンツァ・コッソット(スズキ)
 エンツォ・ソルデッロ(シャープレス)
 ヴィルジリオ・カルボナーリ(神官)
 パオロ・ワシントン(僧侶)
 オスカー・ナンニ(ヤクシデ)
 リディア・ネロッツィ(ケート)、他
 サンタ・チェチーリア国立音楽院管弦楽団&合唱団
 トゥリオ・セラフィン(指揮)
 録音:1958年7月、ローマ、サンタ・チェチーリア音楽院

 ということで今回からは「蝶々夫人」です。テバルディの蝶々夫人はそのスケールの大きい表現力、美しい声、そして細部まで行き届いた歌唱など文句のつけようがありません。日本人としてはもう少し可憐な蝶々夫人を望む人も多いのですが、プッチーニの書いたスコアは高音域から中低音まで張りのあるリリコ・スピントらしい音楽を描きました。これはその理想的な歌いぶりです。きっとテバルディはトスカニーニから「蝶々夫人はこのように歌うのだ」ということをたたき込まれたのでしょう。「ある晴れた日」のアリアだけではなく、第一幕の蝶々さんの登場のシーン、遠くから聞こえる美しい響きでプリマ・ドンナの価値が決まると思います。私の好きなところは第二幕のシャープレスとの二重唱で蝶々さんの淡い期待と深い悲しみが交錯するシーンでの表現でここはテバルディに敵うソプラノはいませんね。デビューしたてのコッソットのスズキも力強い美しい声で圧倒されますし、ベルゴンツィのピンカートンは端正な歌唱で素晴らしいと思います。役柄はともかくあまり軽薄な歌唱では第一幕終盤の二重唱は持ちません。ソルデッロのシャープレスだけが少し弱いかな。セラフィンの指揮は少しゆったり目のテンポで劇的な緊張感を生み出しています。これも「蝶々夫人はこのように演奏するものだ」といっているようなダイナミックな演奏でこのプリマ・ドンナオペラを盛り上げています。ただオーケストラとコーラスはスカラ座に比べて少しだけ弱いかもしれません。録音も歌はよくとれていて当時としては素晴らしいですが、オーケストラの高音部では少しクリップしています。まあ仕方ありませんね。ただこの演奏があまりにも素晴らしいため「蝶々夫人」は有名なオペラにもかかわらず、他に比べてCDは案外少ないかもしれません。もう半世紀以上前の録音ですが「蝶々夫人」のグローバル・スタンダードです。

オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃん ウィーン国立歌劇場の「蝶々夫人」に出演


 オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんはやっとベルリン国立歌劇場の「トスカ」が終わったと思ったら、すぐウィーン国立歌劇場の「蝶々夫人」に出演です。久しぶりのCio-Cio-Sanですが、彼女の最も得意とする役柄です。と思ってCastを見てみるとButterfly Oksana Dyka /Pinkerton Joseph Calleja / Sharpless Eijiro Kaiとなっているではありませんか我が国を代表する甲斐栄次郎さんが新国に続いて SharplessだなんてCio-Cio-Sanと国籍がひっくり返っています。が、そんなことはどうでもいいことで、さすがウィーン国立歌劇場だけあって現在のBESTメンバーですね。Butterflyの良い演奏は少ないので期待しています。放送もあると思いますので頑張ってくださいね。

拍手とBoo


 私もよく講演をさせていただきますが、終了後拍手されると、やはり今日の内容はよかったのかなと嬉しくなります。逆に何も無いとちょっとまずかったかなと思うときがあります。オペラの公演もたぶん同じでしょう。先日紹介したスカラ座の「アイーダ」のメイキングでも歌手や劇場の人々は本当に一生懸命、素晴らしい舞台を鑑賞していただこうという様子がうかがわれます。それは金銭に変えられない、伝統を守っていこうという意思でもあるでしょう。これに対して暖かい拍手を送ってもやはりBooは感心しません。私はオペラ・ハウスに行ったときは、出来るだけ大きな拍手を送るようにしています。それが精一杯頑張っているオペラ・ハウスの人たちへのせめてもの礼儀なのではないでしょうか。

コレペティトアって知っていますか?


 オペラ・ハウスには実際の演奏家の他に、その上演を支える多くの人がいます。大道具、小道具、衣装、メイク、プロンプターなどの他にコレペティトアというピアノ伴奏家がいます。通常、オペラ歌手はプロですからアリアやレチタティーヴォはオペラ・ハウスに入る前に歌えるようにしてくるのですが、二重唱、三重唱、合唱とのバランスなどはオペラ・ハウスに入ってから本格的な練習に入ります。そのときに指導するのがコレペティトアの役目です。特に歌手は他の楽器と違い自分で自分の声を聴くことは出来ませんから。コレペティトアの役目は重要です。曲についても知識が深く、歌手の特性に合わせた発声とか歌唱法まで指導されることがあります。有名なオペラ・ハウスには優秀なコレペティトアは欠かせません。オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんが出演した今年のスカラ座の「アイーダ」のメイキングでその練習風景がupされていました。コレペティトアこそ本当に縁の下の力持ちなのですね。「アイーダ」のメイキング

マーティナ・アーロヨの歌った『仮面舞踏会』Masterpiece of ballo in maschera(10)


ヴェルディ:歌劇『仮面舞踏会』
 プラシド・ドミンゴ(リッカルド)
 ピエロ・カプッチッリ(レナート)
 マーティナ・アーロヨ(アメリア)
 フィオレンッア・コッソット(ウルリカ)
 レリ・グリスト(オスカル)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 リッカルド・ムーティ(指揮)

 以前「仮面舞踏会」について論評していましたが、名演奏にもかかわらず現在手に入りにくいので友人が貸してくれました。何よりもピエロ・カプッチッリのレナートが素晴らしい。朗々とした美声で男らしい骨格の太い歌唱を繰り広げています。バスティアニーニをも上回っているかもしれません。コッソットのウルリカも力強い声でこの役No1ですね。ドミンゴのリッカルドもカラヤン版よりは若くみずみずしい声で格調高く歌っています。レリ・グリストのオスカルだけがちょっと細い声でヴェルディ向きではありません。デズピーナならいいのですがオスカルにはもう少し太い声でなければ重唱部分が持ちこたえられないと思います。一番素敵なのはマーティナ・アーロヨのアメリアです。この日本では評価されなかったリリコ・スピントの実力が存分に出た歌唱です。その重厚な声と幅広い表現はいかにもアメリアらしいと思います。特に第二幕の「あの草を摘み取って」からリッカルドとの二重唱、レナートが加わった三重唱は圧巻です。もちろんムーティの指揮も素晴らしくニュー・フィルハーモニア管弦楽団からドラマチックなオペラの重厚な旋律を弾き出しています。では、この演奏の問題は何なのでしょうか。それはプロデューサーです。第二幕までは名歌手が名演奏を繰り広げていますが、第三幕のリッカルドの暗殺の直前、アメリアと別れを告げるシーンでひそひそ声で歌っているのです。このシーンは主役の最後の聴かせどころで、明るい流麗な旋律が後の悲劇を引き立てる役割を持っているのですが、これでは音楽をつぶしてしまいます。ここまでプロデューサーが介入することはいけません。かのジョン・カルショウもいろいろ仕掛けを作りましたが、あくまで音楽を大切にし、劇の進行に支障のある場合は仕掛けを断念しています。これは第三幕の最後が残念な演奏です。そのせいで手に入りにくくなっているのかもしれません。

マーティナ・アーロヨ(Martina Arroyo)~忘れられないリリコ・スピント


皆さんはマーティナ・アーロヨという歌手をご存じでしょうか。60年代後半から70年代にかけて活躍したリリコ・スピントです。当時、カラス、テバルディの抜けた穴を埋めた素晴らしい歌手でした。特にミュンヘン・オリンピックでのスカラ座の引っ越し公演での「アイーダ」は語りぐさになっています。ただ録音には恵まれずほとんど同じメンバーで録音されたアイーダはカバリエに変わってしまいました。ムーティの「仮面舞踏会」のアメリアではその本領が発揮されています。それとともに私が音楽評論家の言葉に疑問を持つようになったきっかけがマーティナ・アーロヨ(Martina Arroyo)でした。彼女はベームの67年の「ドン・ジョヴァンニ」でドンナ・エルヴィラを歌いましたが、日本では名前が知られていなかったせいでさんざんな評価でした。まだ駆け出しの頃でしたがその堂々とした歌いぶりは素晴らしかったと思います。今聴いてもメトやスカラのプリマを張っただけのことはあると思います。やはり先入観を入れない評価が大切ですね。日本の音楽評論家の中には外国のbloggerの丸写しのような表現もあり、そんなのを見たときは腹を抱えて笑っちゃいます。

歌手の大変さ


 現代のオペラ歌手は本当に大変です。私がオペラを聴き始めたころは、美しい衣装を着てほとんど突っ立ったままで、自分の声を朗々と響かせて拍手喝采を浴びるのが歌手の役目でした。聴かせどころのアリアは拍手に応じて2回歌うサービス精神旺盛な歌手もいました。それから指揮者の指示を忠実に守って歌う時代がきて、現代は演出家の時代ですね。 現代のオペラ歌手は素晴らしい声で歌うだけではなく、指揮者の指示、相手役とのバランス、細かな演技などいろいろな能力を要求されます。 また映像による放送も多くなり容貌やスタイルも大切です。もうジェシー・ノーマンやカバリエのような歌手は舞台に立てないかも知れませんね。それゆえ、オペラ歌手の評価は歌だけではなく全体のプレゼンスで評価されるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

イタリア人としてのオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃん


オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんの評価を見ていますと、Bloggerよりも普通のオペラ・ファンのほうが評価が高いですね。実際、一発勝負のオペラ・ハウスであの力強い艶やかな歌声を聴くと痺れてしまいます。Bloggerの評価ではやはりイタリア語の問題をついてきますが、これは外国人の歌手を非難するもっぱらの方法です。確かにDalhallでの「トスカ」はちょっと微妙な感じですが、最近の「アメリア」ではほとんどNativeと変わらないほどです。そして彼女の素直で率直な表現がオペラ・ファンの心を撃つのだと思います。これからも頑張ってくださいね。東の国から応援していますよ。

ウクライナ人としてのオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃん


Staatsoper Unter den Lindenの「トスカ」は素晴らしかったそうです。facebookでの評価も上々のようです。
 オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんはウクライナ出身です。したがって彼女の紹介にはいつもUkrainian operatic sopranoという言葉がついて回ります。イタリアに移住し、家族を持ち、イタリアオペラに全力を尽くしているご自身にとっては心外かもしれませんが、彼女の振る舞いを見ているとウクライナ人としての誇りに満ちていると思います。
 ウクライナの女性はキエフ・ルーシ公国のオリハの時代から、賢明さと意志の強さがその特長ですがオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんのキャリアを見ているとそのことが如実に感じられます。故国を出てイタリアに住み、ヴェルディやプッチーニの音楽の真髄を表現していこうという姿勢には、彼女の意志の強さが表れているように思います。これからはイタリア人として素晴らしい艶やかな歌声を聞かせてくださいね。

オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんの2012-2013のシーズン始まる


写真は2010のシーズンStaatsoper Unter den Lindenの「トスカ」です。
 オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんの2012-2013のシーズンが始まりました。まずStaatsoper Unter den Lindenのopeningで「トスカ」を歌います。今年はFrankfurt、Dresden、Teatro alla Scala、Palau de les Arts Reina Sofia、Festival Pucciniに続く「トスカ」で今、一番の「トスカ」歌いです。ただ今回はNeil Shicoff のカヴァラドッシ(ベテランですね)Thomas J. Mayer のスカルピア(知りません)ということでDykaちゃんの独壇場だと思われますが、裏を返せばDykaだけでお客さんが入るということなのでしょう。体調に気をつけて頑張ってください。今シーズンも応援しますよ。それにしても音源だけでも放送してほしいです。トホホ・・・。

オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんの「トスカ」Masterpiece of Tosca(11)


・プッチーニ:歌劇『トスカ』
 オクサナ・ディカ(トスカ)
 ブリン・ターフェル(スカルピア)
 マルセロ・アルバレス(カヴァラドッシ)
 ズビン・メータ(指揮)
 ヴァレンシア歌劇場管弦楽団・合唱団
 演出:ジョン・ロイス・グリンダ
 収録:2011年5月ヴァレンシア歌劇場

 2011年のViva-Europaでヨーロッパで一斉に放送された「トスカ」です。マルセロ・アルバレスのカヴァラドッシやブリン・ターフェルのスカルピアも素晴らしいですが、それを上回る歌唱を繰り広げているのがオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんです。第一幕の出の部分からその豊かで伸びやかな声、迫真の演技と表現力、「トスカ」としてのプレゼンスは他の歌手を圧倒しています。第二幕のVissi d'arteも素晴らしく、「テバルディ」に匹敵するという評価もありますが、高音のコントロールはそれを上回るかもしれません。さらにディカちゃんの特質はその上品な歌唱にあるのではないでしょうか。noteも以前とは違いnativeに遜色がないぐらいになっています。今年のスカラ座でも天井桟敷から絶賛されたくらいですから。callasが「トスカ」の苦悩を歌い出したとすればディカちゃんは「トスカ」の愛を歌い上げているのだと思います。ほんとうに素晴らしい「トスカ」です。

スカラ座の「トスカ」Masterpiece of Tosca(10)


・プッチーニ:歌劇『トスカ』
 マリア・グレギーナ(トスカ)
 レオ・ヌッチ(スカルピア)
 サルヴァトーレ・リチートラ(カヴァラドッシ)
 ジョヴァンニ・バッティスタ・パローディ(アンジェロッティ)他
 リッカルド・ムーティ(指揮)
 ミラノ・スカラ座管弦楽団
 演出:ルカ・ロンコーニ
 収録:2000年3月14-17日 ミラノ・スカラ座

 これが一番良く聴く「トスカ」ですマリア・グレギーナはTopが上がりきらないとか声が暗すぎるとか言われますが、やはりその歌唱力、表現力を含めプリマドンナらしい素晴らしい歌いっぷりです、特にその発声法を含めプレゼンスは抜群です。リチートラも駆け出しの頃ですが、甘い声で一直線な歌がカヴァラドッシにはふさわしいでしょう。レオ・ヌッチのスカルピアも悪役らしく素晴らしいです。なんと言ってもムーティとスカラ座のオーケストラがイタリアオペラらしいダイナミックで軽やかな音を出して歌手を引き立てながら全体の統一感を失わないようにしていたのは「トスカ」というオペラを鑑賞する上でとても大切なことだと思いました。DVDでは一押しですね。

チューリッヒの「トスカ」Masterpiece of Tosca(9)


・プッチーニ:歌劇『トスカ』
 エミリー・マギー(トスカ)
 ヨナス・カウフマン(カヴァラドッシ)
 トーマス・ハンプソン(スカルピア)
 ワレリー・ムルガ(アンジェロッティ)
 ジュゼッペ・スコルシン(堂守)、他
 チューリヒ歌劇場管弦楽団&合唱団
 パウロ・カリニャーニ(指揮)
 演出:ロバート・カーセン
 収録時期:2009年4月
 収録場所:チューリヒ歌劇場(ライヴ)

 これはなかなかバランスの取れた「トスカ」です。日本でもお馴染みのパウロ・カリニャーニの指揮が良いですね。プッチーニのオーケストレーションの特長を良くつかみ歌手やコーラスを引き立たせることに成功しています。ヨナス・カウフマンのカヴァラドッシは相変わらず低音重視?ですが、ロイヤル・オペラよりは調子が良いようです。スカルピアのトーマス・ハンプソンも美しい声で歌っていますが、もう少しあくどさがあったらと言うのは欲張りすぎでしょうか。エミリー・マギーは私の好きな歌手の一人ですがさすがにトスカとなるとちょっと違う感じです。力で押しで大きな声も出ていますが、やはりベル・カントらしい音の流れや華やかさに欠けるような気がします。ロバート・カーセンの演出もそれぞれの登場人物の心をえぐり出しているような感じで、現代的ではありますが、好感が持てました。でもこの演奏、2度見る気が起きないですね。実際の劇場での公演は繰り返し見ることはありませんが・・・。

Metの「トスカ」Masterpiece of Tosca(8)


・プッチーニ:歌劇『トスカ』全曲
 カリタ・マッティラ(トスカ)
 マルセロ・アルバレス(カヴァラドッシ)
 ゲオルゲ・ガグニーゼ(スカルピア)
 ポール・プリシュカ(堂守)
 デイヴィッド・ピッツィンガー(アンジェロッティ)
 ジョエル・ソレンセン(スポレッタ)
 ジェイムズ・コートニー(シャルローネ)
 ジョナサン・メイクピース(羊飼い)
 キース・ミラー(看守)
 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
 ジョゼフ・コラネリ(指揮)
 リュック・ボンディ(演出)
 収録時期:2009年9月

 METライブビューイングでの感想です。何よりもマルセロ・アルバレスのカヴァラドッシが聞きものですね。「妙なる調和」から快調にブンブン飛ばしています。もっと軽い声でという向きもあるのでしょうが、今一番安定しているカヴァラドッシでしょう。ガグニーゼのスカルピアも迫力がありながらも丁寧に歌っていて好感が持てます。やはり、ダメなのはカリタ・マッティラのトスカです。ピッチも微妙に狂っていますし、歌にも潤いや艶がありません。vissi d'arteも単に歌っているだけではトスカではありません。演技で補おうとしているところに無理を感じさせられます。しかし、一番の欠点は今年でMetを首になったリュック・ボンディの演出です。特に第一幕の「テ・デウム」は見所なのに全く工夫が見られません。第二幕も緊迫感が無く、辛うじてトスカが身を投げるシーンが横から映し出され目を引きました。最新の画像や音響がすばらしいのでMasterpieceに入れてみました。

ゼッフィレッリの「トスカ」Masterpiece of Tosca(7)


・プッチーニ:歌劇『トスカ』全曲
 ヒルデガルド・ベーレンス(トスカ)
 プラシド・ドミンゴ(カヴァラドッシ)
 コーネル・マックニール(スカルピア)
 ジェイムズ・コートニー(アンジェロッティ)
 イタロ・ターヨ(堂守)
 アンソニー・ラチューラ(スポレッタ)、他
 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
 ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
 演出・舞台装置:フランコ・ゼッフィレッリ
 衣装:ピーター・J.ホール
 照明:ギル・ウェクスラー
 収録:1985年3月 メトロポリタン歌劇場

 ここではやはりゼッフィレッリの演出でしょう。第一幕のテ・デウムの豪華さ、第二幕の緊張感、第三幕の銃殺にいたるまでの変化の妙はやはりリブレットを知り尽くしていると思います。それだけではなく端役の人物の表情や、小道具の使い方まで一見の価値があると思います。歌手ではプラシド・ドミンゴのカヴァラドッシがすばらしい。高音部はどうかと思いますがそれを気にさせないプレゼンスはさすがです。ベテランのマックニールのスカルピアもなかなかいい味を出していると思います。指揮のシノーポリもダイナミックさと繊細さを兼ね備えた演奏で、よくオーケストラや歌手陣をコントロールしていますね。やはりイタリアの伝統を引き継ぐ演奏です。これからというときに亡くなったのは、返す返すも残念です。このすばらしい演奏の中で唯一の、そして最大の問題はヒルデガルド・ベーレンスのトスカでしょう。声もよく出ているし、必死の演技も伝わりますが、出だしから歌唱がゴツゴツして滑らかさに欠けています。聴かせどころのvissi d'arteもレガートがうまくなければ様になりません。でもMetの観客は拍手喝采でしたね。やはりリリコ・スピントが問題です。

ダニエラ・デッシーの「トスカ」Masterpiece of Tosca(6)


・プッチーニ:歌劇『トスカ』全曲
 ダニエラ・デッシー(トスカ)
 ファビオ・アルミリアート(カヴァラドッシ)
 ルッジェーロ・ライモンディ(スカルピア)
 マドリッド王立劇場管弦楽団
 マウリツィオ・ベニーニ(指揮)
 ヌリア・エスペル(演出)
 収録時期:2004年
 
ダニエラ・デッシーもすばらしいリリコ・スピントでした。蝶々夫人、アドリアナ・ルクヴル-ルなどたくさんの演奏を聴きましたが、なんといっても「ミミ」の素敵な歌いぶりは印象に残っています。ただやはりこのDVDでは全盛期を過ぎたのか、高音部や声の張りがなくなっており残念です。アルミリアートのカヴァラドッシも無理をして歌っている感じでしたし、ルッジェーロ・ライモンディのスカルピアも年のせいかちょっと迫力がありません。、マウリツィオ・ベニーニの指揮は伴奏に徹しており、プッチーニの音楽を生かしきっておりません。オーケストラのバランスも今ひとつですね。でもダニエラ・デッシーの全盛期は本当にすばらしかったのですよ。

ヴィシネフスカヤの「トスカ」Masterpiece of Tosca(5)

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プッチーニ:歌劇『トスカ』
 ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(トスカ)
 フランコ・ボニゾッリ(カヴァラドッシ)
 マッテオ・マヌグエッラ(スカルピア)、他
 フランス国立管弦楽団&合唱団
 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(指揮)

 私がヴィシネフスカヤのファンなので取り上げました。もしかするとプロデューサーもそうだったのかも分かりません。この頃は全盛期を過ぎていたのでヴィシネフスカヤのトスカは高音が苦しいですし、カヴァラドッシやスカルピアも魅力がありません。オーケストラも今ひとつでロストロポーヴィチも隔靴掻痒だったでしょう。ただ若い頃のヴィシネフスカヤのトスカは素晴らしかったそうです。そのことを想像しながらこのCDを選びました。
 では次回からは映像の「トスカ」です。

レオンティーン・プライスの「トスカ」Masterpiece of Tosca(4)



・プッチーニ:歌劇『トスカ』
 レオンティーン・プライス(トスカ)
 ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(カヴァラドッシ)
 ジュゼッペ・タデイ(スカルピア)
 フェルナンド・コレナ(アンジェロッティ)、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

 いわゆるカラヤンの旧盤です。私はこの方が好きです。何しろ新盤ほどオーケストラが出しゃばっていません。プッチーニのオーケストレーションは劇的な部分はFFですが歌手の聴かせどころはオーケストラを押さえて歌を引き立たせるように配慮が行き届いています。やはりオペラにはウィーンに一日の長があると思います。素晴らしいのはレオンティーン・プライスのトスカですね。アメリカのオーディションでカラヤンに抜擢されほとんど無名の歌手がいきなりトップスターに躍り出たのです。その声は艶やかななかに迫力があり、知性を感じさせる素晴らしい歌声だと思います。タデイのスカルピアも素晴らしいですね。単なる悪役だけではなく、ちょっとした表現にも凄味を感じさせます。私的にはNo1のスカルピアですね。問題はカヴァラドッシのステーファノでしょう高音がかすれ気味でちょっと残念です。

カラヤンの「トスカ」Masterpiece of Tosca(3)


・プッチーニ:歌劇『トスカ』
 カーティア・リッチャレッリ(トスカ)
 ホセ・カレーラス(カヴァラドッシ)
 ルッジェーロ・ライモンディ(スカルピア)
 ゴットフリート・ホーニク(アンジェロッティ)、他
 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
 シェーネベルク少年合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音:1979年(ステレオ)

 これは、カラヤンとベルリンフィルの「トスカ」ですね。ヴェリズモ・オペラらしいダイナミックさとたっぷりした叙情性を聴かせてくれる素晴らしい演奏です。特に第三幕の「トスカ」の出の部分、暗い音楽から明るい音楽へ変わっていく色彩の変化はさすが指揮棒の魔術師といわれたカラヤンですね。歌手はカレーラスのカヴァラドッシが素晴らしい歌いぶりです。抑制のきいた中で美しい歌唱を展開してゆきます。ライモンディのスカルピアも良いですが、ちょっと悪役ぶりが今ひとつですね。あえて欠点をあげればリッチャレッリのトスカでしょうか。良く歌っていますが、ここはスピント系の豊かな声のトスカがほしいものです。ちょっとオーケストラに負けている感じがします。でもさすがに魅力的なCDですね。
プロフィール

dawa7761

Author:dawa7761
オペラをこよなく愛する者です。
すばらしいリリコ・スピントであるOksana Dykaちゃんのファンです。
東の果ての国から応援しています。

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