トリノ王立歌劇場「仮面舞踏会」(2)いよいよ第三幕オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんの「私の最後の願い」が始まります。
第三幕は強い音楽とレナートがアメリアに怒りをぶつけることから始まります。レナートのヴィヴィアーニ君とオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんは夫婦ですが息の合った激しい動きと歌唱が目を引きます。その後、アメリアの「私の最後の願い」が始まります。ゆったりとした旋律に感情のこもった切々としたアリアが続きますがリリコ・スピントとしては声の美しさが要求されます。オクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんは強い声と同時にスピントらしい美しい声で聴かせますね。それを下支えするチェロがまた上手い。テクニックよりも歌を引き立たせる演奏はさすがオペラ座のオーケストラですね。毎年行われる西宮芸文のオペラ、今年は「セヴィリアの理髪師」でしたが、トリノのオーケストラが応援に来てくれます。それがピットに入ると音楽が引き締まります。今回もノセダが訓練するトリノのオーケストラの上手さに舌を巻きました。その後、リッカルドとアメリアの二重唱も弦が下支えします。ここはついひそひそ話しになって歌が忘れられてしまいがちですがここでもオクサナ・ディカ(Oksana Dyka)ちゃんは朗々と歌い、ヴェルディの美しい旋律が心を打ちました。最後の祈りの合唱でも大きな音楽を突き抜けるディカ(Oksana Dyka)ちゃんのスピントらしい声は今回の公演の白眉といっても過言ではないでしょう。
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